お矢来すずめ
今夏のアルプスの花を整理してみました。6編ありますので、2~3回に分けて投稿します。
北アルプスの女王と呼ばれ多くの登山者に親しまれている白馬岳はそのたおやかな山並みと
夏でも融けない日本最大の雪渓を纏った優美な姿に由ることだけではなく、250種の草花
が根を下ろしている日本一の高山植物の山としての魅力を併せ持った山の中の山なんです。
新居浜駅から列車を乗り継いで、長野駅前で前泊した翌朝、始発の白馬高原駅行き特急路線
バスに飛び乗り2時間ほどで終点の白馬高原駅。そこはもう高原の白馬村・・・澄み切った
オゾンたっぷりの空気に満たされ、これから山に取り付く者は皆胸いっぱいに深呼吸一つ、
目指す白馬岳の遠望にも心奮わせ自ずから気合いが入るというものです。
そしてゴンドラとロープウェイを乗り継いで山歩きの出発点となる栂平高原駅から登り始め
てものの5分、花の山、白馬岳の初見参はモミジカラマツでした。
<白馬岳編その1>
モミジカラマツ
・・なんでモミジかというと葉っぱがカエデ形だからで、カラマツソウの仲間は皆、花の形が似ているので苦労するんです。
ウラジロキンバイ
・・他のキンバイ類はアルプスのどの山でも見受けられますが、この花は北海道の数山と南北アルプスの一部にのみ分布する稀産種とのこと、ひょろひょろした立ち姿に愛おしさも加わり何んとか咲き継いでいって・・と願うばかりです。
シロバナハナニガナ
・・ニガナ類は四国では低山域でよく見受けられますが、高山域でも頑張って咲いていました。
ご存知クルマユリ
・・山行中ずっとあっちこっちに咲いていて、何だか登山者を見守ってくれている道祖神のようで・・癒されました。
オオハナウド
・・セリ科の花(セリ・ウド・ボウフウ)は、どれも白くて花付きが似ていて特定するのにいつも同定に迷わされますが、それぞれ背丈や葉っぱに自己主張があり何んか・・。
アヤメ
・・これも迷った末、登山道脇の乾いた場所で見かけたのでアヤメということにしました。ちなみにショウブは湿り気のある半乾燥地に・・カキツバタは湿地に自生するとのことです。はっきりとした見分け方を御存知の方がいましたら是非ともご教授願います。
シロウマアサツキ
・・ピンク色した葱坊主(ねぎぼうず)みたい・・ずばりネギ科でした!
ゴゼンタチバナ
・・この花は独特のルーティーンを守っていて、一目瞭然、六葉の株にのみ花を付け、四葉には絶対に花を付けないのだそうです。優生保護法をわきまえているのかな・・?。
<白馬岳編その2>
イワカガミ
・・石鎚山系でもお馴染みの花。北海道から九州までの日本中の高山帯に根を下ろすというなかなか素晴らしい花です。
ツマトリソウ
・・名前の由来は、花びらの先をうっすらと紅色に染めるからだそうです。ずばり、漢字で書くと端取草。
イワハゼ(アカモノ)
・・花を付けた後、赤くほのかに桃に似た甘い実を付けるところからアカモモとも呼ばれ、それが訛ってアカモノに定着したそうです。今度、銅山峰にこの甘い実を食べに行ってみようかな~。
イワイチョウ
・・この花は葉っぱの形が銀杏に似ていてしかも花後、鮮やかな黄色に黄葉するんだそうです。
ニョイスミレ・・別名・ツボスミレ
・・日本各地はおろか東南アジアにまで分布しているそうです。
マイヅルソウ(群落)
・・葉っぱが家紋の舞鶴紋に似ているからということですが、同じように花の名前を付け
るとき、葉から受ける印象でもって名付けられるケースが結構見受けられますね。
コバイケイソウ
・・これも日本中の山に分布しているポピュラーな花ですが、その昔、別子山にF君たち
とカタクリを見に行って、この花が咲く前の葉っぱをカタクリの葉っぱと勘違いして写真を撮りまくった記憶が・・何んとも花音痴だったんです。
ワタスゲ(群落)
・・綿毛の状態の方があまりにも長いのでこの名前になったそうですが、雪解け直後にいち早く黄色い花をちゃんと付け、その後すぐに綿毛になるので花の状態を知らない人が多いんだそうです。
お矢来すずめ (月曜日, 17 12月 2018 22:56)
パタリロさん、ひうちさん・・
足もとに咲く花たちは、山でも麓でもけなげに私たちを癒し楽しませてくれてますね。そして、花を愛でていられるこの世界がいつまでも・・と思うのです。
花の世界は、、いや植物たちは動物たちを凌駕するでしょう。
大仰な言い方をするようですが、あの恐竜たちを二億年の繁栄から追いやった実力者たちは今も秘かに確実に
ひうち灘 (日曜日, 16 12月 2018 18:58)
1週間ほどHPから遠ざかっていましたが、今夕見ると素晴らしい花図鑑が掲載されていてビックリです。
すずめさんの真骨頂である花図鑑!見てただ敬服するばかり。
ハイキングを兼ねた山登りではなく、日本アルプス登山中撮影したものですからね~。
体力気力ともに余裕がなければ撮影などおぼつきません。
それにしても美しい日本の花たち。可憐で愛おしくいつまでもこの状態が続いてほしいものです。
次回を楽しみにしています。
パタリロ (土曜日, 15 12月 2018)
こんなに多くの種類の花が咲いてるのですね。
今回の投稿で、パタリロ、道沿いに咲いている花に興味を持ちましたよ(⌒▽⌒)
これからは散歩をするときなどは、花を見ながら歩きたいと思うパタリロでした♪
お矢来すずめ (金曜日, 14 12月 2018 21:56)
さくらさん、のたりさん・・こんばんは。
日常を離れて、しがらみのない時間と場所に身を置く、しかも一人なら気ままに好き勝手・・そんな旅ならではのサプライズにも出逢える濃密な四次元の空間をさまよったような記憶として心に残ります。
すべて一人で完結するときめきと、一人占めするとっておきの時間は何よりリフレッシュ出来ますね。
旅はいいですね・・
私にとって一歩一歩の山歩きは景色の変わりようにワクワクしながら心に焼き付け、出逢った花にはカメラを通してその氏素性を連想する・・そんなスタイルの登山ですから時間もかけるし故に筋肉痛も起きないんです。
若い頃はもっぱら山頂を目指してゴイゴイ登るピークハンターでしたから下山後の2,3日は階段の上り下りでも大変だったのです。そのバカの高上がりがスタイルを変えるきっかけをつくってくれたのも足もとに咲く小さな花々だったんです。
ひねもす・のたり (木曜日, 13 12月 2018 20:47)
白馬岳の旅、もうあれから半年近くなりましたね。
すずめさん、夏の強行な日程の中でこれだけの写真を撮っていたとはただただ驚きです。
続いて3~6編分投稿があります(ひとまず1,2編のみ掲載です)ので、皆様少々お待ちください。
それにしても花の名やその特徴など丁寧に調べられて、膨大な時間を費やされた事でしょう、頭が下がるばかりです。
すずめさんや、さくらさんの旅の投稿を見るたびに、私も6年前の七泊八日の北海道一人旅(道北~道東のみ=稚内・利尻・礼文島→網走→知床半島→釧路)をいつも思い出しています。
何ヶ月も何年も過ぎても旅の思い出は鮮明に蘇りますね。
桜餅 (木曜日, 13 12月 2018 00:20)
こんにちは。
予告をいただいて以来、北アルプスの花図鑑を楽しみに待っておりました。
クルマユリとアヤメは身近でも見る気がしますが、ほかの花々は高地にけなげに咲く風情です。
スミレまでも控えめに、白く咲くとは!
名前も由来も詳しく添えてくださっていて、訛ってアカモモがアカモノになったとか。ふむふむと興味深いです。
カタクリと勘違いして珍しくて写真を沢山撮影なさったエピソードも、そんなことありますよね。
全てご自身で撮影ですか?本当の図鑑の様な鮮明なそれぞれの花の写真に驚きました。
しかもあの重装備のハードな登山の途中に周りを見て足を止める余裕に驚きです。
バスやロープウェイからの心浮き立つご様子にも共感をしました。
計画もその途中も、帰宅してからも3度楽しいのが旅ですよね。
急がず花図鑑の次章も心待ちにしております。