風に誘われ・・

お矢来すずめ

 

5月、カラッと晴れた日など青空にくっきり聳える遥かの山並みが、気持ちのいい風とともに私を山へと誘います。

前夜そそくさと装備をリュックに詰め込み、朝6時には出発!(5月26日)
コンビニでおにぎり、お茶、お菓子を調達して・・新寒風山トンネルを抜けたところから瓶ヶ森林道に入ると、瑞々しい若葉がきらきら輝いていてハンドリングも軽やかに新緑のワインディングロードをひた走ります・・。

瓶ケ森林道の新緑

 

そして瓶ヶ森林道の圧巻はこの景色です。瓶ヶ森手前のジネンゴの頭付近から振り返ってみると、、、右手前のピークから西黒森、その左奥にはかわいらしい伊予富士、そして遠望する寒風山と笹ヶ峰へとクマザサが繋ぐこのスカイラインビューがウリなんです。爽快を絵に描いたような超気持ちのいいドライブで窓はもちろん全開・・。なかには車をどこかにデポして自転車を駆っている人も見かけて、車で追い抜くこちらも思わず親指を立ててGOODサイン(いいね)をするほどでした。

スカイラインロード

 

自宅を出て2時間程で土小屋駐車場に到着・・真東から見る石鎚はこんな恰好をしてるんです。
今回はロープウェイを使ういつもの成就社ルートからではなく久しぶりに瓶ヶ森林道を経由して土小屋ルートでの登山・・というのも石鎚山頂から東西に走る尾根道を往く土小屋ルートは日当たりがよく春の息吹を残した花たちに出会える期待が大きいから・・でした。

土小屋駐車場

 

ここでも先ずは石鎚山遥拝殿に参り、石鎚の神さんに不浄の我が身を神域に晒す許しを請います。(但し写ってる人達は皆さん善男善女)

石鎚山遥拝殿

 

そして遥拝殿の裏手にある登山口、ここから登山開始です。このルートは標高差500㍍を片道4,6㌔で踏破する、石鎚登山ルートの中でもコースタイムが短くて体力的な負担も少ないので子供連れや老夫婦、なかには愛犬を連れてお散歩気分の人もいるくらいです。

土小屋ルート登山口 

 

1時間40分で成就社ルートとの合流地点に着きました。気分も体調も絶好調・・ここから山頂へは迂回路を使わず修験者気分で久しぶりに二つの鎖で登ってみるか・・。

ほぼ垂直に近い80度(先を行く人のお尻しか見えない)を基本どおり三点支持で慎重に一点確保、また一点確保と高度を上げて行きます。

*両手両足のいずれか三点が常にしっかり確保された態勢から残りの一点を確保してゆく登り方が三点支持です。

二の鎖

 

最後の三の鎖は最も厳しいオーバーハングもあり、これを無事登り切れば弥山山頂社に鎮座まします御神像が迎えてくれます。

三の鎖

 

鎖場での禊ぎ(みそぎ)を経て、弥山山頂からいしづっつぁん最高峰・天狗岳へと狭く切り立ったナイフリッジを渡りました。

天狗岳

 

そして今回の感動的なショットがこれ・・!!アケボノツツジのメッカ・赤石山系ではゴールデンウィークが盛りでもうとっくにこの花の時期は終わっていて今年は見過ごしてしまったと諦めていたのに・・まさか石鎚山頂でまみえるとは想定外。
弥山から天狗岳へと渡る200㍍程の尾根(ナイフリッジ)にのみ咲き残り、西日本における最高の地に四国最後のあだ花といえるものでしょう。風雨厳しく厳冬厳寒のこの山頂部では根を下ろすだけでも極限環境の中、か細い樹形に精いっぱいの花を咲かせていました。

アケボノツツジ

 

吹きわたる薫風を胸一杯に満たし一時リフレッシュして・・木漏れ日を浴びながらルンルン気分で帰路に着くのですが、土小屋の登山口から東稜分岐までの間はウグイスの若鳥がちょっと頼りない例の調子でケキョケキョと啼きながら着いて来てくれましたし、ブナの茂る樹林帯ではホトトギスのよく通る声が響き渡っていました。トッキョキョカキョク・・なんて~難しくてすずめには・・。

木漏れ日を浴びて

 

よくよく思い返してみると薫風そよぐこの時期に石鎚に登ったのは初めてのことでした。
なんとも気分爽快、数ある登山の中でもこんなに気持ちよく山歩きを楽しめた事はない充足の山行でした。。

 

続編は(花の息吹)です。

コメント: 4
  • #4

    ひうち灘 (日曜日, 30 6月 2019 07:42)

    すずめさんおはようございます。
    久しぶりです。
    石鎚山に登ってたんですね。
    今、雨は降ってませんが梅雨の空。
    木漏れ日の写真を見ていると薫風が懐かしいですね。

  • #3

    パタリロ (土曜日, 29 6月 2019 20:21)

    パタリロも小学生の時に、少年自然の家で石鎚山を登ったときに、この鎖を使って登りましたよ

    ネビュラチェーン! ( ¨)ノ○∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝△
    ( ¨)ノ○∝∝∝∝△ビシ(/*o*)/イタイ

    パタリロも、久しぶりに鎖場で禊ぎをしてもらいましょうかね( ̄▽ ̄)

  • #2

    桜餅 (金曜日, 21 6月 2019 00:27)

    すずめ様、今日は。何か私的にもタイムリーなテーマをありがとうございます。
    先日、本屋さんで平積みになった石鎚の本をちょっとパラパラと見た時に写真2枚目のスカイラインロードが目を引いて、知らない道だけれどどこに通じているのか、景色を眺める車止めの場所があるのか、あれこれ思いを巡らせながら見ていたところなんです。

    ”車で追い抜くこちらも思わず親指を立ててGOODサイン(いいね)をするほどでした”の記述もぴったりの確かにそんな気分になりそうな道ですね。本には上空からの撮影で所々路肩?と思しき場所がありましたが、こんなに綺麗なら途中車を停めて景色を楽しみたいようです。

    ”片道4,6㌔!!~子供連れや老夫婦、なかには愛犬を連れてお散歩気分の人もいるくらいです"!!!!なんと、子供!愛犬連れでお散歩気分!老夫婦。。。。決して年齢ではないと実感。家で疲れたふりをして転がっている場合ではない。とすずめ様のブログをみると焦るばかり。

    このブログで、疑問だったスカイラインロードは石鎚山頂への別のルートであること、車でふもとから行くなら一時間くらいでしょうか、であることを知りました。まずは私は、ドライブから(笑)土小屋に駐車、遥拝殿参りと周辺の散歩から。

    登山はハードル高しなので、その先はすずめ様が花景色をご報告くださるとのこと、楽しみに待たせていただきますので宜しくお願い致します。

  • #1

    ひねもす・のたり (水曜日, 19 6月 2019 18:09)

    すずめさん こんにちは。
    風に誘われ・・私も薫風に誘われた気持ちになりました。

    これまで、白馬や穂高など私の行った事がない山の投稿を頂き、おかげさまで無料で登山気分を味わってましたが、すずめさんは「やはり石鎚山が似合ってるな」と、今回のブログを見て改めて感じました。

    高校時代に仰ぎ見てた石鎚だから・・という親近感が私にあるとは言え、いつもよりさらに心洗われたすずめさんが見える気がしたのは私だけですかね。これが石鎚っあんの御利益でしょうか?

    この薫風の季節に行ったのが初めてとは意外でした。

    私までも心洗われ、また楽しく懐かしく拝見したところです、ありがとう。